【美容師の給料って本当に安いの?】
美を創作するプロとして、綺麗で華やかなイメージのある美容師。
2019年なりたい職業ランキング・小学生女子の部においても、堂々の第6位!
そんな煌びやかな世界の一方で、
「手取りが低い・・・。」
「残業が多い・・・。」
と言った耳の痛くなるような情報を聞くこともしばしば。
そこで今回は、「年収」という側面にフォーカスして、
美容師の給料が実際にどのくらいの水準であるかについて、
皆さんにお伝えしたいと思います!
【美容師の平均年収について】
美容師の平均年収は、
ズバリ、283万円程度と言われております!
この金額は、厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査 平成29年度版」に記載されているものであり、こちらの額は、「職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」の企業規模別「所定内給与額」と「年間賞与 その他特別給与額」の和の平均額です。
また、日本人の平均年収が420万円(平成27年・国税庁調べ)ということからも、一般的に美容師の給料は高いとは言えません。とはいえ、美容師という職業はランク制や歩合制によって収入が増加したり、キャリアアップによって、大きく待遇が変わったりします。人気スタイリストを目指すのも良し、オーナーとして成功する道を志すのも良し。焦らず、ひたむきに、技術を磨いていくのが最良の策ですね。
▼年代・男女別に見る平均年収
—————————————————
20代:男性 211万円 女性 205万円
30代:男性 310万円 女性 265万円
40代:男性 342万円 女性 260万円
50代:男性 322万円 女性 259万円
—————————————————
男女共に40代をピークに徐々に下降していくような構造になっております。
理由としては、
男性は、現場から離れ、マネジメント職に回る傾向があること、
女性は、結婚や出産等のライフスタイルの変化に伴い、
家庭に入る傾向があるからだと言えます。
また、男女の賃金差に関しては、一般的な企業と比較すると少ないと考えられます。
▼美容師ランク別の平均年収
*アシスタント*
平均月収:13〜17万円前後
「アシスタント」とは、スタイリストとしてデビューするまでの下積み期間の見習い美容師のことです。
都心部の有名サロン程、給料が低い傾向にあります。
アシスタント時代は給料が安いため、アルバイトを掛け持ちしている人もいるようです。
- お客様のお出迎え、お見送り
- シャンプー
- スタイリストの施術の手伝い
- ドリンクの提供
- 清掃
- 技術練習
- 電話対応等のフロント業務
などの施術以外のサロン全般の業務が主なお仕事です。
*Jr.スタイリスト*
平均月収:16〜23万円前後
「Jr.スタイリスト」とは、カットも任せてもらえる、
アシスタントを卒業したてのスタイリストのことです。
店舗によって、こちらの役職の有無は様々です。
Jr.スタイリストの時期は、指名料がつかないことが多いため、
インセンティブによる給料のアップは期待できません。
*スタイリスト*
平均月収:20〜35万円程度「スタイリスト」とは、店舗によって定められた技術レベルに達し、
完全に独り立ちした美容師のことです。
スタイリストになると指名数により、インセンティブや役職がつき始めるため、同時期に入社した美容師との間でも、次第に給料の差が発生していきます。一般には、自分の年齢と同額の給料をもらえているかどうかが、年齢にキャリアが追いついているかどうかの目安になるようです。
*トップスタイリスト*
平均月収50万円以上も可能!「トップスタイリスト」とは、勤務するサロン内で、
最も技術力や売上への貢献度が高いと評されるスタイリストのことです。
スタイリストの業務全般に加え、SNSやブログ等を使用したメディア露出により、
サロンへの集客力を高める活動を求められることもあります。
*店長(ここでは雇われ店長を指しています)*
年収:約300〜800万円程度店長は、お店全体の売り上げ=自分の評価となるため、
売れているお店とそう出ないお店で、給料に差があります。
施術メインではなく、店舗管理や人材育成等を主に担当しており、
スタイリストとしての技術力やセンスよりは、
リーダーシップや管理能力を評価された抜擢が多いようです。
*経営者・オーナー*
年収:1,000万円以上となる可能性もあり!美容室の代表取締役。美容室の経営・人材育成・店舗管理などすべての責任を持ちます。
オーナーが店長を兼任しているサロンもあります。
一般的に「独立する」という言葉を用いる際には、
「店長」ではなく「オーナー」になることを指しています。
【美容師の給与システム】
一般的には下記のシステムになります。
————————————————————————
アシスタント:固定給
スタイリスト:固定給+歩合給 or 完全歩合給
※「完全歩合」は、委託美容師(面貸しと呼ばれるものも含む)に多い給与システムです。
————————————————————————
「歩合給」は、スタイリストとして認められ、多くのお客様からの使命を集めると、
その分、給料が上乗せされるというシステムになります。
歩合の仕組みには、サロンによって主に2種類あります。
1つ目は、「指名料」を美容師の取り分とするものです。
サロン予約を行う際、美容師によっては指名料がかかることがあり、
その指名料をお店が定めた還元率をもとに、美容師へ還元します。
還元率は20〜100%とお店によって大きく異なり、
中には美容師のランクによって、還元率や指名料を上げていくサロンもあります。
2つ目は、「売上で決める」という方法です。
つまり、自分が担当したお客様からの売上の○%が給与に反映されるという仕組みです。
売上を伸ばすには、一概に多くのお客様をカットすれば良いというものではありません。
お客様から直接指名をもらい、信頼関係を築いていく中で、
カット以外のカラーリングやトリートメント等、
比較的施術料金の高いサービスを利用してもらうことが重要と言えるでしょう。
なお、上述の2つの仕組みを片方だけ導入しているサロンもあれば、
両方とも導入しているサロンも多く存在しております。
【年収を上げるには?】
美容師業界の現状や給与システムを理解したところで、美容師として年収を上げる方法をまとめます。
1. 勤務しているサロンで「交渉」する
美容師業界だからというわけではなく、自身の雇用主に対し、賃金に関する「交渉」を行うとなると、抵抗感を覚える日本人は多いのではないでしょうか。そのため、「年収を上げる」ことを考えると、直ぐに「転職」に舵を切る人も多いはず。実はこの「給与交渉」というカード、欧米等では一般的なものなんです。近年、一般企業では、フレックス制(1日のうちにコアタイムを設け、その時間さえ仕事をしていれば、出勤退勤時間は個々の裁量に任せるという制度)やリモートワーク(在宅勤務)等、従来の日本企業には存在しなかった働き方が、欧米から波及して来ております。そのため、給与面に関しても次第にその波が来ることが予想されます。だからもし、この記事を読んでいただいているあなたが、給与に対し不満をお持ちでしたら、一度オーナーに交渉してみてください。
そして交渉を行う際には、事前に自分が生み出している売上と自分にかかっている費用を算出してから、どの程度給料を上げて欲しいのかを伝えた方が良いでしょう。計算方法については、概算でも構いません。そこまでの準備さえすれば、仮に自身の計算に誤りがあったとしても、良いオーナーさんは、きっとあなたの給与がどのような計算方法で算出されているのか、教えてくれるでしょう。仮にそこで給与が上がらなくとも、給与算出方法の本質を理解することは、「経営者の目線を知る事が出来る」ことにも繋がります。そのため、自身の成長のためにも一度「交渉」というカードにチャレンジして見ることをオススメします。
2.自分の長所と給与システムがマッチするサロンへ転職する
ただ、中には「今のサロンに愛着なんて微塵もねえ!」という人も少なからずいるでしょう。もし転職しようと考えているのであれば、判断軸の中に「自身の長所とマッチした給与システム」という軸を入れて見るのはどうでしょうか?
仮にあなたが、カットよりもカラーリングが得意で、その長所を伸ばしていきたいと考えているとしましょう。それならカラーリングやトリートメント等のオプションメニューの売り上げの還元率が高いサロンの方が、給料も高くなりますし、あなたのパフォーマンスを活かしやすい環境となります。また、営業トークに自信を持っている方だとしたら、「シャンプーやケア用品に関する売上の還元率が高いサロンにしよう!」と考えるのもアリなのではないでしょうか!
3.独立し、オーナーになる
キャリアアップする中で、「自分のお店を持ってみたい!」と誰しもが一度は夢見るもの。
言わずもがな、美容師として施術する以外の能力が必要となりますので、万人がトライすることの出来る方法ではありません。ですが、経営に興味のある方や人の上に立って旗を振ることが得意な方にとっては、一度は真剣に考えても良い選択肢の1つではあります。
勿論、会社経営となり、あなたはその会社の責任者となりますので、リスクは伴います。しかし、その分のリターンは大きいですし、お店をあなた色に染めることも出来るため、やり甲斐はあるでしょう。
経営に成功された方の中には、年収2,000万円超のオーナーもいると聞きますので、
一度しかない人生、チャレンジしたいと思ったら挑んで見るべきだと思います。
4.フリーランスになる
「オーナーになれば一獲千金が狙えるって聞くけど、リスクもあるって聞くし…。」
「年収はあげたいけど、経営側よりもスタイリストとして、常に現場の最前線でスキルを高めたい!」
とお考えのそこのあなたにお伝えしたいのが、
「フリーランス美容師」という選択肢です!!!
フリーランス美容師の給与形態は、基本的に「完全歩合制」となりますので、
自身が頑張りさえすれば、収入を増やすことも出来ます。
また企業に属さない選択肢となるため、企業毎のカリキュラムに合わせることなく、自分が好きな技術や得意な技術に絞って、レベルアップしていくことが出来ます。
また、一般的にフリーランス美容師と呼ばれる方には、
「面貸し」と「委託美容師」の2種類があります。
「面貸し」は、自ら店舗を持たず、サロンの一面を間借りして接客を行う方法です。売上の何割かをサロンへ支払う「完全歩合制(相場は50〜70%)」や場所代として1時間あたりで料金が加算される「時間制(1時間1,500〜2,000円程度)」、月額で料金が固定されている「月額固定制」に分かれます。集客や料金設定なども全て自分で行うため、自由度は高くやりがいはありますが、リスクは伴うというのが実情です。
「委託美容師」は、サロンと美容師の間で「業務委託契約」を締結する方法です。売上の何割かをサロンへ支払う「完全歩合制」となりますが、「面貸し」とは異なり自分で集客したお客様以外に、サロンが集客したお客様も担当する事が出来ます。
ただし、自分で集客したか否かで還元率が異なる事(自己集客は平均40〜60%、サロン集客は平均20〜40%)や料金設定を自由に行えない事は、覚えておいた方が良いでしょう。
フリーランス初心者には「委託美容師」がオススメ!
委託美容師がオススメな理由は、次の3つです。
①固定費がかからない ②自分で集客する必要がない ③最低保証給を設定している店舗もある①固定費がかからない
同じ個人事業主という肩書きでも、「面貸し」は場所代を負担しなければなりません。また店舗によっては、シャンプー・カラー剤等も自分で揃える必要があります。
だがしかし、「委託美容師」であれば、還元率は多少下がるものの、場所代がかからないだけでなく、サロンの機材を自己負担なく使用する事が可能です。
②自分で集客する必要がない
基本的に、集客はサロンが行ってくれるため、そこに力を使う必要がありません。しかし、その先のことを考えると、自分自身でも集客出来る力をつけ、指名客を増やす努力を行うことは必要不可欠です。そのため、お店が集客したお客様を対応しながら、SNSを活用した集客方法等を学び、徐々にステップアップしていきましょう。
③最低保証給を設定している店舗もある
「最低保証給」とは、出勤日数や労働時間等のサロンと定めた条件を満たしている場合に保証される報酬のことです。最近では、最初の数ヶ月間は最低保証給を設定しているサロンが増えてきています。初めて個人事業主として契約する人にとっては、とても有り難い制度と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、美容師業界のお金事情、そして年収を上げるための選択肢をご紹介させていただきました。
変化の激しい現代において、自分のいる業界の現状がどうなっているかを把握し、定期的に自分自身のキャリアを見つめ直すことは、必要不可欠なことと言えるでしょう。
美容師という職業は、人々の生活にちょっとした「ウキウキ」を与える、
とても意義のあるお仕事だと思います。
「ウキウキ」を与える側の美容師の皆さんにも、
毎日「ウキウキ」して働いてもらえるような、そんな社会を創れるよう、
当サイトを運営するLifreedもお手伝いしてまいります。