お客様はどのように美容室を選んでいるのでしょうか?
美容師の中には、「良い美容室の見分け方」は知っていても、
「顧客がどの視点から美容室を選んでいるか」を正確に答えられる人は、実は多くないのでは?
そのため、今回はお客様が美容室を選択する上でのポイントを、
「初来店の美容室を選ぶ」「リピーターとなる」場面の2つに分けて、
解説していきたいと思います!
〜初めて行く美容室を選ぶポイント〜
初めて行く美容室を調べる際に用いる手法は、
・美容師検索サイト
・SNS
・知り合いからの口コミ
の大きく3つに区分されます。
それでは、それぞれのポイントを解説していきます!
*美容室検索サイトを見て*
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インターネットが発達し、非情な便利な世界になった今日では、
検索結果に沿った美容室を、わずか数秒で、沢山目にすることが出来ます。
しかし選択肢が多すぎて、逆に選ぶのが難しくなってしまっている状況であることも事実。
そのような場合、お客様は何を基準に判断しているのでしょうか?
項目ごとに解説してきます!
・ヘアカタログ
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どれだけ価格の安いサロンでも、
技術力の保証のできないサロンを選ぼうとは思いません。
その技術力を見るために、お客様はお店毎に掲載しているヘアカタログを参考にします。
特にカラーリングやパーマの施術を希望している女性のお客様は、
検索サイトに掲載されている写真を参考にスタイリストを選んでおります。
そのため、サロンがどの技術を売りにしているかも考慮した上で、
ヘアカタログの写真を掲載するようにしましょう。
・金額
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多い人で1ヶ月に1度は行く美容室は、
「定期的に通い続けることの出来る価格帯か」というのは、
お客様が選択する上で、とても重要な要素のひとつです。
しかし、ただ闇雲に安くすれば良いというものでもありません。
お客様としては、「何故、その価格となるのか」という、
美容室側から提示された金額の「妥当性」を知りたいのです。
カラーリングやパーマネントを行うにしても、
良い薬剤とそうでないものでは、価格も異なりますしね。
また、お店が価格設定を行う際には、
ターゲットとしている顧客層に適した価格帯であるか、
という観点も考える必要があります。
そのため、店舗が目指しているサロンの世界観を鑑みて、
価格に反映させるようにしましょう。
・クーポンの内容
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何事もお得にサービスが受けられることは、嬉しいですよね!
そのため最近の美容室では、「初来店の方限定!」というクーポンがほとんどのお店で用意されています。
そのようなクーポンがあると、初めて選ぶお店でも、
失敗した時のリスクが低く感じるため、来店のハードルは下がります。
他店との差別化には、あまりならないかも知れませんが、
サロンが新規顧客を集めるフェーズであれば、
他店に乗り遅れないために行った方が良いと思います。
・予約したい日時の予約可否
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恋愛においても、「タイミングが大事」と言われますが、
美容室選びもそれに当てはまるのではないでしょうか。
お客様が「美容室へ行こう」と思い立つのは、
「髪が伸びた」「気分転換」「一世一代の大勝負がある」など様々な理由があります。
前半の2つの理由であれば、顧客側も時間の融通が効くかも知れませんが、
異性とのデートや採用面接などの「一世一代の大勝負がある」場合には、
「この日までに」と言った時間の制約が課せられてしまいます。
そんな時に、「良さそう!」と思って予約ページまで飛んだみた美容室が、
定休日や営業時間外であると、お客様を落胆させるだけでなく、
サロン側としても折角のチャンスを失いかねません。
このご時世、働きすぎは推奨されておりませんので、
無理をして営業されるのはあまりオススメいたしませんが、
シフト上で工夫したり、営業時間外でも対応可というオプションを付けたりして、
チャンスを逃さないようにしていきましょう。
・美容師の顔や服装
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「おしゃれな髪型にしたい!」と思っている人の多くは、
「おしゃれな美容師が切ったら、きっとおしゃれに仕上げてくれるだろう」
というバイアスを無意識のうちに持っています。
これは、「メラビアンの法則」に基づくもので、
「人は、視覚から入る情報に最も影響を受ける」という事です。
そのため、お客様とスタイリストの最初の接点であり、
在籍スタイリストの顔写真が掲載されている紹介ページは、
お客様が選択する上で重要なウエイトを占めているでしょう。
しかし、実際に掲載している写真のクオリティを比較すると、
サロンによって、天と地の差があることに気がつきます。
掲載目的で撮影された、おしゃれな宣材写真を使用しているサロンもあれば、
特にこだわりもせず、写真をチョイスしているサロンもあります。
中には、写真が空欄のままで、どのようなスタイリストが在籍しているかが分からない店舗もあるのが現状です。
紹介ページをしっかりと運用しているサロンとそうでないサロン。
どちらをより人が選択するかと聞かれたら、もう答えは明白ですよね。
特に初めてのお客様が指名を行う際には、
事前に顔が見えているか否かが、「安心感」に関わりますので、
爽やかで清潔感溢れる1枚をご用意するように致しましょう。
*SNSを用いた検索*
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最近では、美容室検索サイトは使用せず、
InstagramやFacebookなどのSNSをチェックし、
その媒体を通して、直接お店やスタイリストとやり取りしている顧客も増えて来ております。
また美容師業界のみならず、世間において、
今、「個人で稼ぐことができる時代」が到来しております。
「個人事業主」や「フリーランス」という言葉も聞き慣れるようになりましたし、
フリーランス向けの保険や会計ソフトなど、様々なサービスが日々リリースされ、
確実にフリーランスとして生きやすい土壌が整備されてきている状況です。
そのような時代の中で、お店や製品ではなく、「人」で選ばれることが多い美容師という職業にとって、
SNSを活用した集客を学ぶことは、今後「Must」となっていくでしょう。
特に画像を綺麗に掲載させることに特化している、『Instagram』を活用したマーケティングは、
美容師という職種とも相性が良いため必須事項です。
自身が担当したヘアスタイルを定期的にアップし、
自分だけのオリジナルアルバムを作り、世に発信していきましょう。
*知人・友人の紹介*
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今まで挙げてきた中で、最もアナログな手法かもしれません。
ですが、「人から直接聞く」という行動は、
日本人にとって、最も信用出来る手法だと思います。
旅行先で飲食店を探す場面を思い浮かべてください。
まずはきっと、飲食店検索サイトを使用しますよね。
しかし、同じような店が多すぎて、決め手に欠ける…。
それに、口コミの評価が高いお店は、それなりに値段も高い…。
もう少し手頃で良いお店はないものか…。
そこで皆さんがより間違えのない選択肢を選ぶために取る行動。
『現地の人に尋ねる』
これが1番だと思うのではないでしょうか!
例え自分が初めて会う人でも、『現地の人』というブランドがついた時、
その人から聞いた現地に関する情報の信頼度は跳ね上がります。
ましてや、自分の友達にその土地出身の人がいたとしたら、
問答無用でオススメのお店を尋ね、その情報を参考にお店を選ぶでしょう。
このように、どれだけIT技術が発達し、
口コミが簡単に手に入るようになった環境であっても、
直接人から聞く情報に、人は「安心感」を覚えます。
この事実を参考に美容師として出来ることは、
シンプルに「目の前のお客様を大切にする」ことだと思います。
お客様を大切にするために、
この後の章にて、いくつかヒントになりそうなポイントをお伝えしますので、
是非とも参考になさっていただければと思います。
一人ひとりに合わせたサービスを行い、
多くのお客様にファンになってもらえるような対応を心がけましょう。
〜リピートされる美容室のポイント〜
続いて、「リピートされる美容室」について、
様々な観点からポイントを解説していきます。
*髪の悩みを解決してくれる*
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人の髪質は、遺伝やホルモンバランスなどによって、十人十色。
ボリュームやクセ、髪色など、人それぞれの悩みを抱えております。
その悩みに対して、的確なアプローチを施すことができるスタイリストは、リピートしたくなるものです。
さて、的確なアプローチを施すために、技術はもちろん重要ではありますが、
それ以上に大事なことは、「お客様が理解できるよう、説明できているか」だと思います。
まずは、お客様の悩みに共感する。
その後、その悩みを解決するために、
全体的にどのような施術を施していくかを提案する。
その提案に合意いただいたら、施術している最中に、
「このような髪質なので、ここはこのように切りますね。」と、
「何故、この施術を行うのか?」を都度、丁寧に説明する。
この流れを丁寧に行うことで、
「細部まで考えて施術してくれている」とお客様から思われるだけでなく、
この美容師には、「再現性」があると思われることが出来ます。
次回来ても、同じような施術をしてもらえると期待してもらえるよう、
技術を「言語化」する癖をつけ、お客様が理解できるような言葉で説明できるようになりましょう。
*施術の上手さ*
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カット・カラー・パーマ。
これら技術の上手さというのは、
言わずもがなお客様から選ばれるための1つの大事な指標。
しかし、カットやカラーリングの技術が高いというだけでは、
本当の「上手さ」とは言えません。
その本当の「上手さ」とは、
「未来を想像し、創造出来る上手さ」であると考えております。
お客様の中には、「髪が伸びたから」という理由で来店される方もおりますが、
結婚式などの重要な行事に備えて、来店されるという方も少なくはありません。
そのようなお客様には、いくら施術したその日だけ、
お客様がイメージした通りのスタイルになったとしても、意味がありません。
お客様が指定した未来のとある日に、
万全な状態で迎えさせてあげることが、とても重要となるのです。
そのため、事前の会話の中で、
「何故、このタイミングで髪を切ることにしたのか」を汲み取り、
未来をイメージしたスタイル提案を行う必要があります。
未来のその日に、ベストなスタイリングが出来るよう、
その日までの期間を考えて、少し短めに散髪する。
カラーリングが抜けてしまいそうな人には、
抜けることも想定して、あえて暗めの色を入れる。
上記のような未来を見据えた提案ができ、
それを実行できるスタイリストこそが、
真の意味で技術力のあるスタイリストだと思います。
*店内の居心地が良いか*
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サロンのコンセプトは、オーナーの趣向や土地柄によって、ガラッと変わるものです。
このコンセプトとお客様の趣向との相性によって、
「居心地」は大きく左右されてしまいます。
そこで個性を無くし、万人ウケするサロンを作るというのは、
元も子もないため行う必要はありませんが、
居心地の良い空間を作るために、努力できることは他にもあります。
まずは、挨拶を徹底すること。
サロンによっては、「自分の指名客以外には、挨拶をしない」というところもあり、
特に初めて来店するお客様にとっては、その環境は不安でなりません。
人として基本的なことですが、どのお客様でも一度手を止めて挨拶するようにしましょう。
また意外と、「スタイリスト同士の仲の良さ」についても、お客様は見ております。
最近では、業務委託サロンが増加しており、
在籍しているスタイリストが全員個人事業主というサロンも珍しくありません。
そのような業務委託サロンでは、担当スタイリストが全て一貫して対応するため、
アシスタントや他のスタイリストとも、業務上の連携を取る必要がありません。
そのため、店内のコミュニケーションが希薄となり、
スタイリスト同士が全く連携を取らないという光景も見受けられます。
システム上、致し方ないことかもしれませんが、
お客様にとっては、そのサロンのシステムがどうなっているか、判別できません。
ただ単に、従業員同士の仲が悪いサロンなのかなと思われてしまいます。
サロン全体にとってもマイナスの要素でしかないため、
同じ空間で働くものとしての最低限のコミュニケーションは取るよう、
日頃から心がけるように致しましょう。
*空気が読めるか*
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どんなにカット技術が高い美容師でも、
程よい距離感でのコミュニケーションを取ることができないと、
お客様はリピーターになってはくれません。
お客様の中には、
美容師との他愛の無い会話を楽しみにしている人もいれば、
施術しているところをじっくりと見ていたいという人もいます。
自分が得意なコミュニケーションを押し付けるのではなく、
相手の心地よい距離感を推し量り、自分のファンを作る意識を持ちましょう。
*覚えてくれていたか*
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「人に覚えてもらう」というのは、誰しもが嬉しいものです。
そのため、初めて来店されたお客様に対しては、
特にその人の特徴や、そのとき話したことの内容を覚えておくようにしましょう。
できる営業マンが取引先からもらった名刺の裏に、
相手の特徴や話したことをメモしておくというエピソードのように、
Web上で顧客管理を行なっている店舗では、
お客様の特徴も合わせて記載しておくことをオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
我々現代人は、IT技術の発達により、生産や業務の効率化が進み、
製品・サービスの品質も、差別化が難しい時代へと突入しております。
またSNSやインターネットの恩恵で、
私たちは、毎日とても多くの情報を仕入れることができます。
そのような時代において、
「選択肢が多すぎて、何をどう選んだら良いかわからない…」
という悩みを抱えている人々も増えているというのは紛れもない事実です。
その時に、私たちが最も信用し、選択の決め手としているのは、
人と人の間で作られる「信頼」ではないかと思います。
すでにサロンをお持ちのオーナー様や、
これから独立を考えているスタイリストの方は、
お客様から信頼される美容師をより生み出せるサロン作りを目指して、
技術力だけでなく、人間力を育むカリキュラムを考えてみましょう。