今、急増中!フリーランス美容師に必要な資質とは?
昨今、「フリーランス」と呼ばれる契約形態を、
様々な業界で耳にするようになって来ました。
「フリーランス」って言葉の響きがかっこいい!と感じたり、
「Free」という単語から自由そうだなあと憧れる人も多いようです。
そして美容師業界では、『業務委託型サロン』が台頭して来ております。
在籍しているスタイリストが正社員契約ではなく、
業務委託契約(フリーランス契約)というのが最大の特徴です。
さて本日は、今後も増えていくであろう「フリーランス美容師」を掘り下げて行きたいと思います。
そもそも、フリーランスとは?
まずは、「フリーランス」という言葉ですが、
正社員・契約社員・アルバイトのように、企業との雇用関係がなく、
仕事毎に単発の契約を結び、独立して仕事を請け負う働き方。
を指しております。
もう少し噛み砕いてお伝えしますと、
・組織に縛られることがない。
・自分が持ちうる知識やスキルで勝負。
・時間の使い方を、自分で自由に定めることができる。
という3点を認識しておけば、問題ないでしょう。
ちなみに、「フリーランス(freelance)」の語源ですが、
中世ヨーロッパにおいて、まだどの傭兵団とも契約を交わしていない兵士を、
「free lancer」と呼んだところから来ているようです。
尚、「lance」は槍のことを指します。
フリーランス美容師について
美容師業界にも「フリーランス美容師」という働き方が存在しますが、他の業界にはない特徴があります。
それは、「委託美容師」と「面貸し」の2種類の働き方が存在することです。
「委託美容師」と「面貸し」の違いについては、
以前の記事で詳しく解説しておりますので、下記のURLを参考にしてください!
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〜美容師の平均年収について徹底解説!!〜
※ページ下部の「4.フリーランスになる」に詳しい解説が載っています。
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さて、ここで皆さんにクイズです。
日本の美容師さんの中で、
「フリーランス美容師」は何%いるでしょうか?
正解は、
16%以上
です。
「まだまだ少ないじゃん!」
と思われる方もいるかもしれませんが、
日本には現在、約50万人もの美容師さんが存在しておりますので、
約83,000人がフリーランス美容師であることになります。
尚、こちらの数値は2年前に発表されたとなりますので、
「フリーランス」という働き方の認知が深まって来た最近では、
きっとさらに増えていることでしょう。
フリーランス美容師に向いている人とは?
ここまで説明して来た「フリーランス美容師」ですが、
一体どのような人が向いているのでしょうか?
下記のような素養のある方は、フリーランスに向いている可能性が高いため、
是非とも自身に当てはめて考えてみてください!
*成長意欲のある人*
フリーランスとして生計を立てるためには、
知識・スキル・経験を身につけていくことが必要不可欠です。
しかし、正社員のように先輩からの教育が受けられるわけではないため、
必要な知識・スキルを自発的に取得していかなければなりません。
そのためには、常に高い成長意欲を持ち、
- セミナーへ参加する
- フリーランスの先輩へ教えを乞う
- 本を読む
など、自らの主体性を持った学習を行うことが求められます。
「上司に言われたから仕方なく勉強する」といった受身のタイプではなく、
学習自体を楽しむことができる人には、フリーランスに向いていると言えるでしょう。
*セルフマネジメントの得意な人*
自己管理とスケジュール管理。
正社員でも大事ではありますが、フリーランスではさらに重要になります。
自己管理の甘さが原因で、体調を崩し働けなくなってしまえば、収入が激減してしまいます。
またスケジュール管理の甘さから、サロンからの信用を一度失ってしまえば、
期間満了で契約終了という事なども十分にあり得る話です。
また逆に、正社員の時には上司がコントロールしてくれていた仕事量を、
自分では管理することができず、仕事が抱え過ぎてしまい、
体調不良に陥るという事例も時折耳にします。
まさに、自分の「体が資本」となりますので、
ゆくゆくフリーランスになりたいとお考えの方は、
今のうちから自分と向き合っておくようにしましょう。
*お金の仕組みに興味がある人*
「お金」や「税金」の仕組みについて、理解している人、あるいは興味がある人は、
フリーランスに向いていると言うことが出来るでしょう。
フリーランスにとって、「お金について学ぶ」ことは、
技術力アップと集客方法を学ぶことと同じくらい大事なことです。
正社員時代、会社が給料から源泉徴収してくれていた税金は、
フリーランスになったら、自分で納税手続きをしなければなりません。
「とても面倒くさそう…。」と感じるかと思いますが、ご安心ください。
最近では、「フリーランス向け」のサービスを開発している企業が増加しており、
続々と便利なアプリケーションがリリースされております。
また条件に当てはまれば、税制優遇を受けられる等、
フリーランス特有のメリットもあります。
フリーランスの先に「自分のサロンを持つ」という目標のある人は、
経営をする上でも必須の知識となりますので、
「お金の仕組み」を学ぶ姿勢を常に持ち続けるようにしましょう。
*多種多様な人とコミュニケーションを取るのが好きな人*
組織に属さないフリーランスは、正社員よりも人とのコミュニケーションを取る機会が減るんじゃないの?
という皆さんの疑問が聞こえてきます。
確かにコミュニケーションの総量は、組織に属していた時より減るかもしれません。
しかしフリーランスは、自分から行動を起こさないと仕事が入ってこないため、
SNSによる集客活動、勉強会の参加、サロンとの打ち合わせなど、
自分の足で接客的に人脈を稼ぐことが必須となります。
日頃から、多様な年齢や業界の人と交流し、
話すことが好きな方はフリーランスに向いております。
*利益を追求することに抵抗のない人*
日本では今だに、「お金を稼ぐことは悪だ!」との概念を持っている人がおり、
TVに映る高所得者たちは、それだけで嫌な印象を持たれることもあります。
しかし、「お金を稼ぐことに抵抗のある人」はフリーランスに向いておりません。
なぜなら、フリーランスは正社員よりも、
「持ちうる技術の市場価値=自分の給料」
という点が色濃く反映されるためです。
正社員では、自身の施術スキル以外でも、
教育やマネジメント、勤務態度など様々な形でサロンへ貢献すれば、
そちらを査定内容に反映してもらうことが出来ます。
しかしフリーランスは基本的に完全歩合制のため、
スキルが自身の収入にモロに影響することになるのです。
また、フリーランスはサロンを運営するオーナーやお客様と、
直接、金額や条件の交渉を行う機会が出て来ます。
例として、以下のシチュエーションが想定されます。
- サロンとの間で取り決める歩合率を定めるとき
- 場所代や施術料金を定めるとき(主に面貸し)
自らの技術に見合った価格設定や、場所代の適正な料金設定を行う上では、
サロンに言われた価格を鵜呑みにするだけではいけません。
お金に関する交渉がどうしても嫌だということでしたら、
交渉の目的を変えてみるというのも1つの手です。
おそらく、このような交渉が生理的に苦手という人は、
「お金の交渉をすることは、相手にがめつい人だと思われてしまうのではないか…?」
という不安を抱いているのではないでしょうか?
その場合は交渉の目的を、
「給料を上げること」や「安く場所を借りること」とするのではなく、
「自分の市場価値を理解すること」として、交渉してみてください。
自分の市場価値を理解し、
「自分がもっと利益を上げられるようになるには、何が足りないのか?」
「自分が成長するためには、何を学べばいいのか?」
を知ることは、適切な努力をする上で重要なことだと誰もが理解できると思います。
このようにフリーランス美容師は、
自分自身でお金のことを判断し、決断する瞬間が増えます。
自分の能力を過信せず、卑下にもせず、
フリーランス美容師として自身のことを誇りに思えるよう、
市場価値を常に意識するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本全体で働き方が変化してきている今、
「フリーランス」という契約形態は今後も増加していくことでしょう。
そのような世界が加速すると、
今よりもさらに「人で選ぶ」時代が来ます。
それまでに重要なことは、
己の市場価値を理解し、成長し続けることです。
フリーランスという選択肢を取らない人も、
美容師としての人生を思い切り楽しみ、自分を誇りに思うことができるよう、
日々学び、日々成長していきましょう。