美容師の面接対策、後編スタートです!
2回に分けてお送りしております面接対策。
前編では、「サロン研究」や「身だしなみ」について、
解説させていただきました。
後編では、主に「自己PR」と「面接時によく尋ねられる質問」について、お伝えしようと思います。
それでは行きましょう!
自己PR
・自己PRと自己紹介は同義です
あなたは「自己PR」と「自己紹介」の違いを説明できますか?
あるサロンでは、「自己PRをお願いします」と言われ、
また別のサロンでは、「簡潔に自己紹介をしてください」と言われます。
中には、「一体何が違うの!?」と悩み、一晩寝付けない人もいるかもしれません。
さて、この二つの言葉ですが、「同義」と捉えてしまって大丈夫です。
ですので、「自己紹介」と言われても、経歴説明のみにはしないでください。
履歴書を見ればある程度わかります。
また「自己PR」と言われても、アピールのみにはしないでください。
面接の冒頭で、いきなりアピールだけされても、引いてしまいます。
自己PRの構成のポイントは、下記の3点です。
①長くても1分半〜2分以内には収めましょう。
②最初の30秒程で、学校を卒業してから今までの職務経歴を大まかに説明しましょう。
③残りの1分程度で、今までの実績や自分の強みを伝えましょう。
基本的にこの流れであれば、飽きられることもなく程よい自己紹介となるでしょう。
・「裏付けとなる経験(根拠)」も伝えましょう
自己PRの際に、
「コミュニケーション力が高いです」「努力家です」
とだけ、話して満足してしまっている人いますよね。
はっきり言って、これではあなたの良さは伝わりません!!
物事の根拠を伝えるために、
必ず「裏付けとなる行動/行為」もセットで伝えましょう。
ex)自分は努力家な点をアピールしたい時
私は努力家です。新卒から勤めている現在のサロンでは、いち早くスタイリストへ昇格すべく、
閉店後に毎日2時間、カットやカラーの練習を行っておりました。
その成果が出たのか、サロンの規定では、
2年間はアシスタントとして従事しなければならないところを、
1年半余の期間でスタイリストまで昇格することが出来ました。
今後も、多くのお客様の笑顔を創るために技術習得を行なっていきたいです。
このような説明でしたら、「努力家」というアピールポイントを裏付けする「行動」があり、
またその「成果」もアピールすることが出来ていますよね。
「友達によく言われるから」と他者に依存した理由ではなく、
「なぜ」そうだと言えるのかを自分で問い、深みのある回答を出来るようにしましょう。
・サロンの特徴にあった自己PRができたら尚良し!
「面接対策・前編」でもお伝えいたしましたが、サロンには「20代女性のお客様が多い」
「カラーリング技術に力を入れて行きたい」など、必ず何かしらの特徴があります。
その特徴を踏まえ、「自分がどのような点でこのサロンに貢献することができるのか」を考え、
そちらに沿ったアピールをすることが出来たら、さらにポイントアップです。
よく聞かれる質問
こちらでは、面接の場でよく聞かれる質問を、
「一般的な質問」と「美容師業界特有の質問」に分けて紹介していきます。
出来るだけ、「質問の意図」も合わせてお伝えいたしますので、
少しでも参考になればと思います!
一般的な質問
■『転職理由』は何ですか?
「何故あなたは職場を変えたいのか?」と問われています。
あなたが《転職》を選択したのは、
「今のサロンでは叶えることのできない自分の願望」を、
「《転職》という手段を用いて、叶えること」が目的であるはずです。
面接時に転職理由を尋ねられると、
結果的に、現(前)職に対する不満をぶちまけるだけになってしまうこともありますが、
「その不満は、あなたの努力次第で変えられたんじゃないの?その努力もしてないの?」
と思われてしまうと、自分にとってマイナスポイントにしかなりません。
(そもそも、不満ばかりになってしまうと、人間として印象良くないですよね。)
そのため、「今後どんなキャリアを積みたいか/どのような環境で働きたいか」という点を、
「現(前)職ではどうしても実現が難しい」という視点も交えてお伝えください。
■『志望動機』は何ですか?
「何故あなたはこのサロンで働きたいのか?」と問われています。
特に意識していただきたいのは、『転職理由』と『志望動機』の一貫性です。
つまり、『転職理由』を『志望動機』で解決することができることがポイントとなります。
ex)
・転職理由:給料が安いため、今よりも年収を上げたい。
・志望動機:固定給は現職と同水準であるが、歩合給の内訳を見たとき、
指名客を担当した時の還元率が高いため、
自身のお客様の数が増えれば、今よりも稼ぐことができる。
『転職理由』を『志望動機』で解決することが出来ておりますよね。
面接に臨む前に2つの関係がこのような構造になるよう、
しっかりと確認してから挑むようにしてください。
※上記の事例は理解しやすいように、金銭面を挙げましたが、
実際にはこのような回答は避けた方が良いでしょう。
■あなたの『長所・短所』を教えてください。
単に『長所・短所』を聞いているだけではありません。
この質問では、「論理的」に話すことが出来る人なのかもチェックしております。
ここで「論理的である」というのは、「相手をいかに納得させられるか」ということです。
「私には、コミュニケーション能力があります。」と表現するよりも、
「私は老若男女問わず、誰とでも親しくなることが出来ます。
現職では10代から60代まで幅広いお客様に指名をいただいておりました。」
と経験を踏まえて伝えた方が、聞き手としては、
対人能力のある人なんだなということを実感しますよね。
勘が良い人であれば既にお気づきかと思いますが、
つまり、ここでも「経験(根拠)」を伝えることが重要となりますので、
常にこのポイントは忘れないでおきましょう。
また『短所』については、
「何で短所を認識しているのに、治そうとしないの?」と思われないよう、
その改善方法も併せて答えるようにしましょう。
■入社したら、どのような事をやりたいと考えていますか?
これまでの質問は、あなたの「過去」と「現在」に焦点を当てた質問でしたが、
この問いでは、あなたの「未来」について問われております。
「未来」についても、「過去」と「現在」との一貫性を意識するようにしましょう。
『転職理由』の項目で、「叶えたい未来」という話をしましたが、
まさにこの「叶えたい未来」を実現させるために、
サロン内で経験したいことをお話しするのがベストです!
■入社したら、どのようなことで貢献していただけますか?
「あなたの『長所(強み)』は何ですか?」という質問で回答した答えを結びつけ、
その『強み』を実務レベルまで落とし込んだ回答をすることが求められます。
具体的に考える際には、前職で評価されていた行動を参考に考えてみるのも良い方法だと思います。
■今までの仕事で苦労したこと、またその克服方法
この質問は、
①何を苦にするのか、そしてそれをどう捉えるのか。
②自分で積極的に改善しようと行動するタイプであるか。
という点が問われております。
一般企業においてもかなりの確率でこの質問をされるようですが、
近年、「ストレス耐性」を重要視する企業が増えているためであると言えます。
採用しても、様々な理由から出社不可の状態になってしまうといったことを事前に防ぐよう、
求職者が「何をストレスと感じるのか」「逆境をどう捉えるのか」を確認したいのですね。
苦労したことの大小は問いませんが、自発的にそれを克服した(改善した)ことの方が
回答には適しておりますので、そのような回答を用意しておくのがオススメです。
■企業(サロン)選びの軸は何ですか?
『志望理由』とほぼ同一の質問にはなりますが、
今回面接するサロンだけでなく、選考中の他サロンでも共通して求めることを聞かれております。
『転職理由』をしっかりと考えることが出来ている人は、
そちらを参考にすれば良いため、回答に困るような質問ではないでしょう。
■他に選考中のサロンはありますか?
他社選考を受けている場合には、嘘をつかずに素直にお伝えするのが良いでしょう。
もし、あなたをどうしても欲しい人材であると判断した場合には、
条件面を良い方向に変更してくれる可能性もあります。
ただし、面接中のサロンがいくら第2志望であったとしても、
そちらは正直に伝えるべきではありません。
「滑り止め」と言われて、良く感じる人はいないと思いますので、
そちらは注意する必要があるでしょう。
■働く環境に何を求めますか?
人間関係、経済面、シフトの融通、技術レベルの高さ、通勤しやすさなど、
勤務先を選ぶのに、検討すべき要素は多様にあります。
面接までに、自分の優先順位を説明できるよう、準備しておいてください。
美容師特有の質問
美容師の面接のみで尋ねられる、美容師特有の質問をいくつかご紹介します。
■どのような美容師を目標としていますか?
こちらは『どのような事をやりたいか』同様、「未来」が問われております。
イメージしやすいよう、尊敬する人物が実際にいらっしゃるのであれば、
具体的にその名前も交えて伝えるようにしましょう。
そして「目標とする美容師像」とセットで、
「その目標に向かって、日々努力していること」も説明できるとベストです。
■今後の美容業界はどうなっていくと思いますか?
未来のことを聞かれておりますが、未来のことは、現状から分析することで予想ができるため、
この質問は、「今の美容業界のトレンドがわかっているか、それを得るために勉強しているか」
についての判断材料になります。
■あなたが思う、流行る店の定義を教えてください。
あなたのセンスや地頭の良さも見られておりますが、
「流行る店にするために、自分なりに日々行なっていることがあるか」
ということも、非常に重要な観点となります。
「流行る店はこう!」という考えは持っているというのに、
それに向かって何も行動していなければ、考えを持っていないのと同じことになってしまいます。
またこの質問に回答した後、「逆にどうお考えですか?」と質問してみるのも良いでしょう。
■あなたが得意な技術と苦手の技術を教えてください。
『強み・弱み』とほぼ同一ですが、より技術に特化した質問です。
「苦手な技術を克服するためにどう行動しているのか」も合わせて、回答してください。
番外編 〜委託美容師(フリーランス)向け〜
■何故、正社員でなく委託美容師という道を選んだのでしょうか?
委託美容師の方向けの質問にはなりますが、
何故、その選択を取ったのか尋ねられることもあるでしょう。
経済面が理由である人も勿論いらっしゃると思いますが、
日本人としてそれは何だか答えづらいというのも、理解できます。
そのような時のひとつのテクニックとして、
「特に○○の技術を高めていきたいため。」というのは使えるのではないでしょうか。
委託美容師になる
↓
時間(シフト)を自分でコントロールできるようになる
↓
時間をお店に合わせず、効率よく技術習得することができる
というわけですね。
他に明確な理由がある方は、正直にお伝えしてしまっても良いかと思いますが、特にない方は検討してみてください。
「どの技術を高めていきたいか」は重要な部分ですので、
自身で考えて準備するようにしましょう。
まとめ
2回に分けてお送りさせていただいた美容師の面接対策。
少しは参考になる情報をお届けすることが出来ましたでしょうか?
ここまで準備したとしても、
「緊張して上手く本番で話すことが出来ないんじゃ…。」
といった不安を抱いている人もおられるかと思います。
面接は、誰しもが緊張してしまうものです。
緊張して当たり前なのです。
緊張しているからこそ、良いパフォーマンスが出来るのです。
だからこそ、その緊張を楽しんでみましょう。
緊張を思う存分楽しむために、準備をしましょう。
こちらを最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
あなたがの人生が良い方向に向かうことを心より祈っております。